中学生の数学指導についてご案内です。
入塾前
まず、入塾前の段階で、全員、基本的な事項について確認をします。
- 整数の四則計算
- 分数・小数の計算
- 割合
- 比の計算
- 図形の面積・体積
最低限の内容です。
上記5点の理解度を、現時点での成績とは無関係に確認します。
入塾後はオーダーメイド個別学習となりますが、中学生は特に「定期テストで点を取らなければいけない」のが大きな課題です。高校受験への影響が大きすぎるので、ある程度の点数確保は絶対条件になってきます。現時点での学力が学年相応から大きく離れている場合(上記5点の確認テストで既にできない・わからない場合)、どこから手を付けるかというのはかなり大きな問題です。
成績別基本方針
- 【定期テスト 0~7割台くらいの生徒】
状況や学校の進捗具合にはよりますが、数学については学校の進度になるべく合わせる形を取ります。しかし、入塾のタイミングによっては、大きくさかのぼって復習から入ることもあります。
ちなみに、12月入塾の中2生は、図形の単元に入っていたため、少し遅れてでも学校に合わせる、という方針で始めました。 - 【定期テスト 8割台くらいの生徒】
現時点で小学校内容を苦にしておらず、定期テストでも軒並み8割以上は取れているのであれば、ひとまずは学校の進度+αくらいで進めることが多いです。 - 【定期テスト 9割以上の生徒】
なるべく早く、教科書内容を進めていきます。入塾の時期にはよりますが、早くて中3の5~6月、遅くとも夏終わりにはひと通りの中学内容を終え(合間に高校レベルまで少し掘り下げつつ)、復習・演習に充てていきます。
さて、当塾の場所柄、千葉県と埼玉県、どちらの公立高校も受験する可能性がありますが、千葉県を例にとると、数学を得点源にしていく、というのが基本方針です。
偏差値50前後の高校までであれば、60~70点を確保する。偏差値60前後の高校なら80点、東葛飾や小金であれば90点を割らないのを最低ラインとします。それができるようにまず指導をしていきます。
ですが、合格ラインを超えてそれぞれ志望校に合格できたとして、入学後の数学にどう取り組むか、というのはなかなか難しい。千葉県の第3学区の高校は全般的に、数学は入学時の学力よりも高めのレベルで指導されている所が多いので、
「ついていけない」
↓
「数学できない」
↓
「仕方なしに文系へ」
という流れに陥りがちです。
「合格ライン超えた!はいおしまい!」ではなく、せめて高校進学後の基盤は作っておきたいですし、進学後も、可能であれば、当塾でなくともサポートは受けられる状態を作っておいたほうがいいです(高校内容の指導なら当塾がベストだとは思いますけども(^_^))。
学年ごとの方針
[中1・中2]
中2まででは、主に
「計算力強化」
「図形感覚の向上」
の2点を軸に指導します。「計算はできるけど文章題が……」というご相談は多いのですが、よほどのトップ層の生徒を除き、そもそもの計算力が不足していることがほとんどです。スピードや正確さという表面的に見える部分もそうですが、見えない部分で「どう処理するのか」を突き詰め、徹底的に鍛え上げます。
図形の感覚というのは、鋭角・鈍角、平行、おうぎ形、立体の切断、合同、etc…。一般に、「見れば分かるでしょ」と言われるものを、「見て分かる」状態にするイメージです。立体の展開図が描けない、錯角の位置関係が掴めない、見た感じの角度のだいたいの感覚、などなど、苦手な生徒がつまずきやすい部分にフォーカスして訓練を積みます。
当然、ある程度力が備わっているor備わったのであれば、どんどんレベルの高いテキストで演習を積んでいきます。
[中3]
受験に向けてどう整えるかというのがメインになります。早い生徒では5~6月、遅くとも冬休み前には中3の学習内容を終え、総復習と実戦演習に入ります。無論、中3からの入塾で基礎力が弱い場合、計算力強化は日常の課題として取り組みます。
苦手な生徒は、まず入試では5~6割が目標。少し伸びてきたら7割台を確保しにいきます。この点数帯は基本的なこと、教科書的な問題を適切に処理できれば届きますから、徹底して鍛え上げます。
8割を超えて、東葛飾高校や春日部高校が射程に入ってくる学力の生徒は、『高校への数学』などを買い足しながら、早慶附属、東京の自校作成、大阪Cなど、ハイレベルな問題と取っ組み合う学習に進んでいきます。
おわりに
数学は単に公式や解法を覚えて処理すればいいや、というものではありません。たとえば、私が初めて指導をする生徒に聞くと、中学生・高校生問わず、因数分解というのが何をやっているものなのかを全く知らない生徒が大多数です(ちなみに、今は中1の段階で、「因数分解とは何をすることなのか」を分かってくれていないと困ります)。
「自分は何をしたくて、何をしているのか」
数学に限らず勉強全般で強く意識を置くことが重要ですが、特に数学は機械的処理を主とすると応用が利かなくなってしまいますので、対話をしながら、生徒に「今なにをしているのか」を説明してもらいながら、きちんと頭を働かせて考えながら解く、というのを徹底してまいります。