入試前夜

受験について、私は「一歩大人に近づくためのひとつの関門」という感じで認識している。いや、正確には、「一歩大人に近づいてはじめて結果が出る」と考えている。

高校受験は、「他者に決めてもらう」から「自分で決める」の転換点となりやすい。進学先を自分で決め、自分で頑張り、自分で考えて臨むのが大切。もちろん、まだまだ未熟だから、各所で大人(家族であったり、学校であったり、塾であったり)のサポートは入るのだが、そういうサポートを超えて自らの頭で考え、動くというところに受験の意義があり、子の成長があるのだと思う。中学受験はその色がもう少し薄い感じではあろうが3年早くその転機が訪れ、さらに中高6年間を通してその転換点が学校の中で起こるように学校もいろいろ考えているのだと思っている。

さて、千葉県の公立入試前日だが、当塾では完全フリーである。受験生の自己判断で、希望する子は塾を使えばいいし、家でじっくりと英気を養うのもあり。塾に呼び出して最終の追い込み・チェックをするのは簡単だが、思い思いに「自分で考えて動く」というのを実践している。うちの塾の「やってあげない」というコンセプトが如実に出ていると思う。

親に言われて半ば無理矢理に塾に通いはじめた子もいる。自分から率先してうちに通うことを選んだ子もいる。
どういう事情であれ、まずこの節目で、「強制してくれる」「やってくれる」という甘い環境を用意してあげないのが寺子屋はじめたるところだ。

あなたたちの新たな「はじめ」はここだ。どこの学校に進学することになっても、これから先の長い人生を歩む上でまず一つの大きな転機。「もっと早くから始めていれば…」「もっとあの時真面目にやっていれば…」という後悔はあるだろうが、その後悔を胸に抱いて、今の自分のすべてをぶつけるのだ。全力を尽くせば、結果の如何を問わず、新たな一歩を踏み出せる。

健闘を期待する。

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