小学生の「テスト80点」

学校で単元終了後に行われるテスト、あのカラフルなやつです。私は(みんな?)「カラーテスト」などと呼んでいます。

学習した単元の理解度を確認するテストで、特に難問奇問はなく、ごく基礎的な知識・理解を問うています。

したがって、このテストについては、「100点が当たり前」とまず考えることが大切です。わずか2〜3週間の間に学習したことですから、全部わかっていないのは結構まずい。

当然、人間はミスをするものですから、1〜2ミスはあり得るでしょう。そうすると、1問5点として「90点」くらいまでならまだいいかなと思います。ただし、許容していると危険なミスや、部分的に理解不足になっている可能性もありますから、間違えている問題は必ずチェックすることが大事。

さて、タイトルにした「80点」ですが、大体4〜5問は間違えていることになります。ここから先は不安をあおりたいわけではなく、あくまで今まで生徒指導をしてきた中での「よくある事例」をそのまま書きます。

全てミスだとしたら、ミスが多すぎます。たいていは表層的に「なんとなく」で解いている、もしくは「全く理解できていない所がある」という感じで、2〜3単元も積み重なると、数年後にものすごい借金になることが珍しくありません。

算数の文章題が苦手で、そこを落としているとしましょう。単元にはよりますが、2〜3行の問題文を読んで立式して答えを出す、これをこぼしていても80点前後になることはあります。そのまま放置すると、まず中学受験は難しい。地元の公立中学校に進んだあとも、文章題が苦手なのが変わらず、というか放っておくと悪化する一方です。千葉県の公立高校の試験問題を例にとると、単純に計算すれば答えが出るよ、というのはたった3問、15点分です。「文章を読んで考えて処理する」というのを苦手にしていると、極端な話、この15点しか取れない可能性があります(昨年までは30点取れましたけど……)。

当然、数学の文章題で文意が汲み取れないとなると、他の教科はもっと大変です。この点数帯だと、定員割れしている高校に進学する選択肢が主となりますが、それでもなお、千葉県は0点教科があると不合格になる恐れがある。先ほどの3問、全て計算ミスしたらどうなるか。。。

……という可能性は低くない程度にはあリます。

今まで多くの生徒を指導していますが、小学生のカラーテストで80点前後が普通、という子は中学校に入ると真ん中から下の成績帯になることが多いです。そこからの立て直しはほとんどの場合、小学校内容を復習するところからになります。100点を連発する児童の間でも、実際はその中身に応じて相当の学力差がついています。

大人の感覚(中学→高校を経てきた大人の感覚)からすれば、80点はそこそこいい、となるかもしれませんが、この点数がいいかどうかはテストによるのです。小学生のカラーテストではかなり先ゆき不安な点数です。京大国語の100点満点での80点であれば天才の域ですが。。。

まずは保護者の方がテストをチェックしてみて、お子様と話をしながら確認をしてみてください。怪しいなというところは早めに手を打っておくのがいいです。70点台よりも下となれば個人的にはすぐに手を打つことを勧めます。

なお、テストが返却された後に机の中でぐしゃっとしていたり紛失していたり、という、保護者の方が確認できないという状況もそれはそれで先行き不安なので、早めに手を打たれた方がいいかなと思っております。

(個人的には100点連発してても怖い可能性があるので、先々までお考えの場合は色々とお試しになるのがいいかなと思う次第です)

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