高校生のケツは叩かない

寺子屋はじめは大学受験までがっしりやりますよ、という塾なのですが、塾長の特性上、むしろ大学受験が主、みたいな面があります。

その中でも、頭が固いというか、頑固というか、高校生には「進学するにふさわしいレベルに達した上で大学進学してほしい」という想いが強い。とりあえず行けばいい、とは考えていないのです。

ということで、学校推薦型や総合型でなるべく受験できるよう、それが無理でもまずは英検スコアで少しでも有利に戦えるよう、という作戦を立てるものの、ふさわしい学習姿勢と学力を身につけ、一般入試でも突破できる力を身につけてもらう、というのが基本です。

ここで学習姿勢を先に挙げたのにはきちんと理由があります。昨今の大学は、私の学生時代みたいにバイトと麻雀に明け暮れてサクッと単位が取れるほど甘くありません(いや、私の進学した学科についてはちょっと特殊だったので元々そんな甘くありませんでしたが笑)。出席管理もきっちりやるところが多いですし、毎回の課題にレポートに試験に…と、まあ真面目にきっちりやるタイプの学生であれば問題ないと思いますが、けっこうヘビーなんですね。
(なお、こういう方針の善し悪しについてはまた別の話です。現実そうなっているということで)

そういうところまで考えないとしても、たとえば首都圏の一般入試、わかりやすくいうと河合塾の偏差値で50〜60の間くらいの大学を受けるにしても、高2の冬や高3の夏なんかは1日10時間以上の学習をするのは普通です(やることやってたらそれくらいは普通にやっちゃいます)。いわゆる早慶やMARCH、首都圏近郊の国公立を受験するとなれば、時間的にも強度的にももっとガシガシになるわけです。

こういう学習を日々行うというのは(しかも科目の好き嫌いを問わず)、正直言って強制されたり受け身であったりする生徒は保ちません。そもそもやる気に満ち溢れている生徒でも途中で折れそうになることが日常茶飯事。ケツを叩かれてかろうじて勉強する、程度の気持ちではそもそも継続すら難しいものです。

もちろん、小中学生はある程度ケツを叩くことも重要だとは思います。特に、中学生は成長過程的にケツを叩いても動けない子も多いものですから、個別に成長具合に応じて柔軟な対応をしてあげる必要があります。
高校生も当然成長具合は個人差がありますが、まだ精神的に少し幼いけれどもそれなりの大学に進学したい、というのであれば浪人すればいいのです。どうしても18歳段階で進学しなければいけない、というものではないのが大学というところです。

17〜8歳ともなれば、自分の将来を考えて自分で動く、というのができてほしい。それなりの大学を目指すのであれば、そういう姿勢を自ら作ってほしい。

それなりの難関大はそれに加えて元々備わっている(鍛えられている)学力も絶対必要ですが、姿勢さえできていれば、後からついてくる学力でもそこそこ名の知れた大学には進学可能です。

自分のケツは自分で叩きましょう。

ただ、多くの人間は弱いもので、そんなに自分を律し続けるのは難しいものです(まあ、律し続けられる人が難関大に進学できるんだ、と言ってしまえばそれまでではあるのですが……)。自分でなんとかしようという気がある生徒であれば、そういう気分の浮沈を含めて学習のサポートをしていく、そういうのが当塾の指導です。

大学は楽しいところだと思います。自分の興味関心に合わせて学問の入り口に立てることもそうですし、まあ単にね、学問的なものを別にしてもなんだかんだバイトやら遊びやら、モラトリアムを満喫できるのは個人的には楽しいと思っています。

勉強に打ち込んでいて文句を言われないどころか褒められるなんて贅沢なんです。そういう贅沢を親が許してくれる。なんならその贅沢のために毎月安くないお金まで出してくれる。その幸せを噛み締められるような高校生活、そして受験勉強にしてほしいですね。

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