千葉県は3月3日の発表をもって、公立高校の入試はまず一段落である。この後に2次募集もあるが、当塾の生徒は全員進路が決まったため、今年度の高校入試は無事に終えた。
昨年度、開校したての頃に、直前駆け込みで1名だけ、高校受験を指導した。問題なく合格はしているが、超短期だったので当塾の高校受験としては0期生(超レア)。故に、それなりの時間をかけて鍛えた子たちが主体となる受験は今年度が初となった。
それなりの時間、とは言ったが、長い生徒でも1年ちょっと、多くの生徒は半年ちょっとというところ。夏や冬はそれなりに保護者の方にもご負担をお願いして頑張ってもらったが、正直「鍛え」が足りないというのが本音。ただ、時間というのは無限にあるものではないから、その限られた時間の中で考えられる最善の手を打つことを求められている側面もある。
生徒たちは各々が己の範囲の中で頑張れたと思う。己のできる範囲の中で、というのは、周囲の大人からは「なんという怠惰」と思えるレベルなこともある。大人はとかく理想を子供に押し付けがちで、受験生とあらば6時間でも8時間でも10時間でもひたすら勉強するのが当たり前、くらいの感覚を、正味30分も勉強に身を入れられない段階の子供に期待してしまうものだ。
だが、私はまず「為せる範囲の努力」を、受験という経験を通じてをきちんとできることが重要だと考えている。
- 30分も保たない子が40分できるようになった。
- 丸付けも満足にできなかった(偏差値50くらいでは自分で「きちんと」丸付けするのは難しい)のが、だいぶ頭を使ってできるようになった。
こういう、ほんの些細なこと、できるのが当たり前だと思われがちなことを、できなかった生徒自身が少しでもできるようになるというのが本来的には大切なことであり、必要な点数はそれに伴ってついてくるものなのだ。
チャレンジをした生徒が多くいた中で、公立を志望した生徒が全員公立高校に合格できたのは各自の頑張りが実を結んだのだと思う。
このふんわりした、塾としての有り様がまったくもって見えにくい、人によっては単に自習させているだけに見えてしまうようなピンク髪のおっさんが一人でやっている怪しげな塾をいくらかでもご信頼いただいた保護者の皆様にとにかく感謝したい。
結果が出たのは生徒自身の頑張りと保護者の方の支えあってこそで、塾はほんのちょっとの味付けをしたに過ぎないのだ。
各々が高校に進学する。今は一時休むのも良いだろう。部活に打ち込む者もいるし、専門学科で興味関心を深めながら将来に向けて動く者もいる。もちろん、大学進学を目指して初っ端から気合いを入れて突っ走る者もいる。各自それぞれの生き方があっていいし、いろいろなあり方をサポートできるようにさらに塾も私も進化していきたい。