模試の結果を踏まえて

定期テストでは400点オーバーしても、なかなか模試では結果が伸びてこないもの。

実力がしっかり備わっていれば、どちらのテストでもほぼ遜色なく点数が取れるが、「勉強するという行為の入り口に立ち始めた」生徒はまだまだ難しい。
まずは範囲の限定される定期テストである程度まとまった点数が取れる、というのを当塾では優先させている。

これとて、そう簡単なことではない。


例えば、中学1年生で1次方程式の計算ができるようになろう、という段階をイメージしてほしい。

まず前提として、正負の数・文字式の計算は確実にできるというレベルが要求される。当然、その前段階である算数範囲の四則計算も、である。

前期の中間テストで90点を切っていれば、なにかしら実力に不備があると考えて差し支えはない。単なるケアレスミスで落としました、と言っても、このレベルの問題でケアレスミスとやらが出るようではまだまだ実力不足。もう一歩二歩と演習を積んでおく必要がある。

さて、1次方程式の計算、カッコがついているものや分数・小数のものまでスラスラ計算できるようになるまで、当然ながら生徒によって所要時間や必要とする演習量は異なる。元々数学が得意な生徒と、算数の時から苦手な生徒では、無論、後者の方が必要な時間・演習量は増える。

数学が得意な生徒は、3くらいの演習量で大体身につけてしまう。そして計算の基礎力が備わっているから、3の分量を1の速さでこなせる。

一方、算数の時から苦手としている生徒は、大体解けるようになるまで10くらいの演習量が必要であることが珍しくない(これでも控えめ)。そして、計算の一つ一つに不安があると、10の分量をしっかりこなすのに、20とか30とか、それくらいのスピード感になってくる。

これは学年・単元が進むほど拡大していく差であり、できるだけ早く来てほしい、と塾が思うのはこういう部分をなんとかしておきたいからなのだ。小学生の時から指導できていれば、10の演習量が必要なのは仕方ないとしても、速さを10であったり5であったりとスピードアップできる下地を作ることは可能で、それができていれば仮に苦手なままであったとしても、マイナスをなるべく小さくしながらも後々に飛躍するチャンスをも作っておける。

では、もう中学生で弱いままだと手遅れなのか?

一般的に厳しいことはある程度飲み込んでもらう必要はあるが、諦めるには早すぎる。こういう下地を重ねていくものは時間はかかるが、保護者と生徒自身になんとかしたい意志があり適切な指導とがっしりした学習時間を確保してもらえれば、実力自体は着実に伸ばすことが可能だ。変わるためには意志ひとつ。そして適切な指導といえば寺子屋はじめ。当塾では塾での学習時間は多く受講していただくことになるが、その分しっかりと成果は見込める。


模試は所詮模試なのであるが、貴重な試験経験でもあり、重要なデータでもある。モチベーションの上下にも大きく影響する。取れなければしっかり反省の上で次回に向かえばいいし、取れたのであればそれを励みに、さらに力を伸ばす・点数を伸ばす努力をしていけばよい。

いい数字が出た生徒もいれば、苦しい数字が出た生徒もいる。自分の取り組みを見直し、さらに成長するチャンスと捉えることができるかどうかだ。生徒たちのこれからの頑張りに期待したい。

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